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2011年8月の投稿

2011年8月29日 (月)

旅行今昔

 8月最後の週末は久しぶりにクルマでお出かけ。最近は遠出するのが億劫になって、なかなか長距離を駆けることも少なくなってしまったが、週末ETC1000円割引がなくなったためなのか、8月最終の週末にしては意外に高速は空いていた。久しぶりのロングドライブで乗ったクルマのエアコンは壊れていて冷えない(*_*;。 普段にはほとんど乗ることもないキャンカー、夏のドライブさえ行かなければ寒いときはFFヒーターがあるから快適だから修理しようとも思わずそのままにしていた。そんなエアコンが効かないクルマに久々に乗ったら昔を思い出してしみじみ思った・・・

 40年も前のこと、名神・東名の高速道がようやく全線開通したばかりのころである。高速道路とは無縁の田舎町から出かけるときは、どんな長距離でも下道オンリー。乗ってるクルマといえば薄給の若者がやっと手に入れることができるのは、クーラーなんてもちろん付いていないマニュアルシフト車。それも最初の頃は空冷エンジンの360ccの軽であった。今と比べたら乗り心地なんて比べるべくも無い。そんなクルマで冬でも夏でも、全国どこにでも車中泊を繰り返しながら出かけていた。100番台の国道がようやく舗装され、200番台に至っては改良工事もされず、凸凹で砂埃が舞う砂利道の時代。それが当たり前だったから、暑さも埃も苦にならず、暑いときは窓全開で三角窓やボンネットに付いている外気取り入れ口から流れこむ走行風で涼を取っていた。もちろん髪はボサボサで埃まみれになる。貧乏旅行の車中泊だから風呂も毎日入るわけではない。自炊をしながらの旅は1週間もするとだいぶ臭くなってくる (^^ゞ それでも楽しくて好奇心に満ちた旅だった。それが今では、オートマ・エアコン・カーナビは当たり前のように付いている。遠くに行くときはほとんど高速を使い、SAにはコンビニまであって欲しい物は大概手に入る。予め旅行情報を雑誌で調べたり、地図を用意したりすることも要らずナビ頼り。道の駅などを含め観光案内所も数多く、インターネット環境まで備わっているところも多いので、欲しい情報は何でも手に入る。望めば走行中の車内からでさえインターネットにアクセスできるから本当に便利な時代になったものだ。

 次は旅先の公衆トイレについて・・・ 昔は本当にひどかった(*_*; 暗い・臭い・汚い、おまけに夏場は酷暑で冬は極寒、落書きだらけでクモの巣だらけ・・・ 今にして思えば、夏場の公衆便所(公衆トイレとは言わなかった)といったらこの世のものとは思えない。トイレットペーパーなんて気の利いたものは当然無い。時折誰が置いたか判らないエロ雑誌が破られて紙代わりに無造作に置かれていたり、新聞紙であったり・・・ 夏の夕暮れ、蒸し暑くて薄暗いポットン便所にしゃがむと、むき出しの尻には蠅や蚊が群がり、眼が沁みる程の臭気(-.-;)。急いで用を済ませて外に出ても、手を洗う水さえ出ないところも多かった。おまけに国道脇には公衆トイレも数少ない時代、もちろん道の駅なんて無い。少しでも快適に用を足すなら多少お金を使ってもドライブインか食堂、鉄道の駅を利用するしかなかった。今回のドライブでは、SA/PAはもとより観光地のトイレは全て水洗。清掃は行き届き広々として明るく、匂いやハエとも全く無縁の快適空間。驚くことに洋式をメインに備えている所が多く、ウォシュレット付が大半。中にはドアを開けると自動で便座が開き、用を済ませて立ち上がるとひとりでに水が流れるという、我が家にも無い最新トイレが備わっている所があって驚いた、まさに恐るべし公衆トイレである。時代は変わったものだ。

 こんなことを思いながらの帰路、高速を降りて「天下の険『親不知・子不知』」に立ち寄ってみた。目立たない景勝地だから通りすがりではめったに行くことはないし、そこを目的に行くこともまず無いところだ。現国道8号線の天険トンネル脇から、高速開通前の国道全盛期の繁栄をうかがわせるかつての「天険ドライブイン」親不知観光ホテル前にクルマを止めて、今は遊歩道となっている旧国道に入る。そこには4世代道路を一望にできるという案内看板や展望台には断崖の模型と解説文があって、古来からの難所の様子をうかがい知ることが出来て興味深い。四代の道路とは、第一代、海岸線に沿って波打ち際を歩く古来からの旧北陸道、芭蕉一行も歩いた天下の難所。二代目の道は明治16年、天皇の巡幸を機に難所を開削した道(今の遊歩道)。第三世代の道は、第二世代の断崖絶壁をトンネルで避けた現在の国道8号線「天険トンネル」。そして一番新しい道は、トンネルと海上橋で険しい地形を古い道と立体的に交差しながら走り抜ける北陸高速道。四代の道路に加え、幾度も改良されたJR北陸本線、その鉄道もまもなく300Km/hで地底を貫く新幹線が取って代わる。

 昔の人は、時には命さえ脅かされながら難儀な旅をしていた。それがわずか100年ほどの間にめまぐるしい発展を遂げ、現代は誰でも当たり前のように安全快適な旅が出来るようになった。こんな時代になった今、50年先さえどうなっているか想像がつかない。速さを追求し安全快適を求めつつ、CO2を撒き散らし自然破壊を繰り返しながら便利快適を得た結果の代償はどうなるか、四代の道を一望できる断崖の上に立ってしみじみ考えてしまった。 

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